《Shrink(縮む)する市場で起こること》
【11月20日:今朝の状況】
※為替(ドル/円)ドル=154円60銭【08:32現在】
※N.Y.ダウ:43,268.94 (-120.66)
※銅LMEセツルメント($/t)
①午前売:8919.5(+60)
②午後売:ー
※COMEX当限セツル($/ポンド、銅以外は$/トロイオンス)
③銅: 4.13(+0.022)
④金:2627.1(+16.5)
※WTI 原油先物($/bbl)
⑤69.39(+0.23)
※本日時点予想計算値:国内銅建値 (/kg)
①ロンドン午前:1430円
②ロンドン午後:ー
③N.Y. :1460円
※ニューヨーク為替引値(円)
154.65-154.66(0-0.01円高)
【11月19日:昨日の状況】
※国内銅建値1420円(11月18日より-20円)
《Shrink(縮む)する市場で起こること》
※先日、ある問屋さんの社長から、「中国(メーカー)は、銅スクラップ
買っているの?」と聞かれました。つまり、景気が悪いと言われる中国で、
無数とある銅スクラップの需要家方々は、現在、銅スクラップを積極的に
買っているのか?という質問です。
※残念ながら、この社長の質問は若干ピンボケで、小生が知る限り、ここ
30年くらいの間、中国はずーーーーーっと、銅スクラップを買いたい(欲
しい)状況にあります。
※それどころか、そもそも原料が足りない状況なのに、更に、銅・真鍮系
の工場を新設し続けてきたので「足りなさ具合は増すばかりです」。
(先日来日した銅精錬所の社長は、原料が調達出来ず工場稼働率が50%程
度だと仰ってました。 ちなみにそれでも一社で年間60万トンの電気銅を
作っている)
※もちろん中国メーカーも、銅相場や各工場の在庫状況で、「今は沢山買
わない」とか「価格が高いものは要らない」という各論はあると思います
が、総論では買いたいわけです。
※一方で、日本の銅スクラップ需要家の製品生産量は、同じ30年間で減る
一方でした。
※黄銅棒を例にします。小生が商社に入社した1995年当時、日本全体で黄
銅棒の月間生産量が25,000トン程度であったと記憶しており、年間3万ト
ン生産していた計算です。それが昨年2023年は、15,000トン程度まで減っ
ているので、30年で4割減です。
※冒頭の問屋社長様は、買ってくれない日本メーカーに、何とかお願いし
て銅スクラップを「買ってもらう」ことを30年も続けてきたので、「中国
(メーカー)は、銅スクラップ買っているの?」という質問に至ったのだ
と思います。
※さて銅ナゲットを製造していると、中国向けに輸出する場合と日本国内
で販売するときで、買い手メーカー(需要家)の購入スペックが異なり、
日本の方が厳しいと感じます。
※例えば黄銅棒メーカーにしてみれば、毎年生産量が減る一方なので、使
いやすいダライ粉のリターン材だけを使っても原料は足りることになりま
す。 選別や加工が必要で使いにくい“拠り中”や“込真鍮”は、当然、買いた
くない・買わない・買っても安いとなるわけです。
※そこで仕入業者に厳しくなる。
※逆に、中国のメーカーはずっと原料が足りないので、スペックに関して
は片目をつぶって荷物を買ってくれているのだと考えています。仕入業者
に厳しくしていられない。
※中国メーカーと比較として、日本メーカーの購入スペックが厳しくなる
理由の一つかもしれません。
以上