11月1日 相場情報

《ある商社(前編)》

【11月1日:今朝の状況】

※為替(ドル/円)ドル=151円85銭【08:30現在】

※N.Y.ダウ:41,763.46 (-378.08)

※銅LMEセツルメント($/t)
 ①午前売:9427.0(+71)
 ②午後売:ー

※COMEX当限セツル($/ポンド、銅以外は$/トロイオンス)
 ③銅:4.3135(-0.014)
 ④金:2738.3(-50.2)

※WTI 原油先物($/bbl)
 ⑤69.26(+0.65)

※本日時点予想計算値:国内銅建値 (/kg)
 ①ロンドン午前:1480円
 ②ロンドン午後:ー
 ③N.Y. :1490円

※ニューヨーク為替引値(円)
152.03-152.04(1.38円高-1.39円高)

【10月31日:昨日の状況】

※国内銅建値1490円(10月29日より+10円)

《ある商社(前編)》

※大手総合商社グループの非鉄金属商社(以後“ある商社“と表
記)の方が来社され、新たな取引をご提案頂きました。 
弊社に被覆線スクラップを売って頂く話なので、大変、ありが
たいのですが、同社内には「(取引において)リスクを持って
はいけない」というルールがあるそうで、なかなか面倒くさい。
※リスクには①品質クレームリスク、②在庫リスク、③価格リ
スクなどがありますが、それぞれその“リスクを持たない“とは
どういうことかを検証して見ましょう。

※①「品質クレームリスク」
ある商社がA社から荷物を買い、B社に売るという取引で、B社
に納入された荷物に品質的なクレームが発生した場合、ある商
社はそのままA社にクレーム対処を依頼し責任を取ってもらう
そうです。これが品質クレームリスクを持たないということ。

※②「在庫リスク」
ある商社は倉庫・ヤードを持ちません。仮に売りを決めずに買
いから取引に入り、自社の倉庫で荷物を保管すると、相場が下
がったり、品質が劣化したり、数量が減少したりします。また
最近だと盗難のリスクもあります。在庫をしなければ、在庫リ
スクを持たないことになります。

※③「価格リスク」
これは簡単です。 ある商社の方はご自分で仰ってました「売
値より買値が安ければ良い」。当たり前の話に聞こえますが、
商売をしていると様々な事情から買値より安く売る(もしくは
売値より高く買う)場面があります。例えば長期契約を守るた
めだとか、新規客先と付き合うため価格的に合わない売買をし
たりだとかです。ある商社はこうした売値・買値が逆転する商
売をせず、価格リスクを持たない。

※さて、偉そうにリスクを取らないで取引をすると仰っている
この“ある商社“ですが、現在日本国内の金属スクラップ市場
で、そのような取引が可能でしょうか?
※雑線を仕入先へ買いに行き、①仕入先が歩留を保証して、②
在庫せず仕入先から売り先に直送、③売り先の価格から口銭を
引いた価格で荷物を売って下さいと言って、売ってくれる会社
があるのでしょうか?

※いいですか?想像してください。

ある商社の方が仕入先A社に行き、こう言います。 

『そこにある雑線43%を、ある商社がA社手配したトラックに
積んでください!そのトラックは(A社も知っているであろう)
B社に直送します(②)。
B社で下ろした際、B社がサンプル分析をした結果歩留が41%だ
った場合、2%分の保証をしてもらいます。つまり弁償しても
らいます。(①)。
尚、弊社の買値価格はB社の買値が500円/kgなので、商社口銭
5円/kgを引いて、495円/kgです。さあ、売ってください!』

※A社社長 『二度と来ないでください』

(つづく)

以上