《見越し売り(空売り)》
【12月9日:今朝の状況】
※為替(ドル/円)ドル=149円98銭【08:00現在】
※N.Y.ダウ:44,642.52 (-123.19)
【12月7日:先週末の状況】
※銅LMEセツルメント($/t)
①午前売:9040.0(+73)
②午後売:ー
※COMEX当限セツル($/ポンド、銅以外は$/トロイオンス)
③銅:4.1385(+0.0035)
④金:2638.6(+12)
※WTI 原油先物($/bbl)
⑤67.2(-1.1)
※本日時点予想計算値:国内銅建値 (/kg)
①ロンドン午前:1400円
②ロンドン午後:ー
③N.Y. :1420円
※ニューヨーク為替引値(円)
149.95-149.96(0.13円高-0.17円高)
【12月8日:昨日の状況】
※国内銅建値1400円(12月5日より+10円)
《見越し売り(空売り)》
※相場が下り目の局面でよく聞こえてくる話ですが、過去、
相場が高いときの「価格が市中に残る」という現象があり
ます。
※例えば11月20日〜12月5日の約2週間の間(銅相場が一貫
して下げていた場面)の、国内銅建値と真鍮について、A
社の買値を例に説明してみましょう。
○ 11/20 建値1440 真鍮895
○ 11/25 建値1410 真鍮865
○ 12/2 建値1390 真鍮855
○ 12/5 建値1400 真鍮860
※A社という会社の真鍮買値が、11月20日の時点で895円
/kg、売値を分かりやすく905円/kgだったとします。
※A社は、11月1日建値1480円、11月6日建値1510円と、
銅相場が最近断続的に下がっているので、【今後も相場が
下がると予想】して、11月20日に売りの契約を100トン
905円で決めてしまいます。
※A社が11月20日時点で、売りに見合いする100トンの在
庫を持っていれば、見越し売り(空売り)ではありません。
ただの売り契約です。
※ところがその時点で在庫が50トンしかなければ、これか
ら売りヘッジした100トンの契約履行のため、買い集めな
ければならない(仕入をしなければならない)残りの50ト
ンの見合い分は、“見越し売り(空売り)“です。
※11月20日以降、A社の【今後も相場が下がるという予想】
が“当たり”、建値は下がり続けたので、A社は895円以下
で荷物を50トン集めれば、売りの契約を履行できます。
※ここで高い時の「価格が市中に残る」という現象が現れ
ます。895円より一円でも安く買えればいくらでもいい。
※A社は、相場が下がってから仕入れるので、売買差も大
きくなり利益は大きくなります。
○ 11/20 建値1440 真鍮売905/895 →利幅10
○ 11/25 建値1410 真鍮売905/865 →利幅40
○ 12/2 建値1390 真鍮売905/855 →利幅50
○ 12/5 建値1400 真鍮売905/860 →利幅45
※但し、懸命な読者はお分かりでしょう。11月20日以降、
銅相場が上がるか下がるかは二分の一の確率なので、もし
相場が、下がるという予想に反して上がった場合には、今
回の例とは反対に、残り50トンの集荷に苦労することにな
ります。
※市中の皆様が混乱するのは、この「価格が市中に残る」
ということを、A社はいちいち仕入先に説明しないという
ことです。
※よく言えば、A社は商売上手で、「高いときに売値を決
めたから買値が高い=二分の一博打にたまたま当たった」
とは言わないわけです。
※895円という単価が、あくまで相場が高い時の価格とは
知らないA社の仕入先は、「A社の買値が高い」と吹聴し、
それが噂さとなって市中に広がるわけです。
以上