2月25日 相場情報

《ダイレクト投入》

【2月25日:今朝の状況】

※為替(ドル/円)ドル=149円87銭【08:30現在】

※N.Y.ダウ:43,461.21(+33.19)

※銅LMEセツルメント($/t)
 ①午前売:9490.0(-4)
 ②午後売:ー

※COMEX当限セツル($/ポンド、銅以外は$/トロイオンス)
 ③銅:4.517(-0.043)
 ④金:2947.9(+10.3)

※WTI 原油先物($/bbl)
 ⑤70.7(+0.3)

※本日時点予想計算値:国内銅建値 (/kg)
 ①ロンドン午前:1470円
 ②ロンドン午後:ー
 ③N.Y.:1540円

※ニューヨーク為替引値(円)
149.71-149.73(0.42円安-0.43円安)

【2月24日:昨日の状況】
※国内銅建値1480円(2月21日より+20円)

《ダイレクト投入》

※銅線=被覆線スクラップの仕事をしていて、よく想像する
のが「銅+被覆材」を分けずにそのまま溶解炉に投入し再生
できないか?ということです。
※被覆線スクラップをリサイクルする過程で行うa剥線加工
も、bナゲット(破砕・選別)加工も、リサイクルする銅か
ら、リサイクルする必要のない被覆材を除去する作業です。
(被覆材もリサイクルすべきという、お花畑な議論は無視)
※この面倒な作業、銅の需要家(製錬・伸銅・電線・銅箔各
メーカー)が溶解炉に銅スクラップを入れる際、被覆材が燃
焼し特にPVCに含まれる塩素分が、炉を傷めてしまう為に行
っています。

※被覆線スクラップは、昔からリサイクルされていますが、
実質、被覆線のまま溶解できないので、炉に入れる前に銅と
被覆材を分けることは、いわば宿命です。

※さて昨今そんな宿命に反して、被覆線スクラップを、製錬
会社の炉で、そのまま製錬できないか?という動きがあるよ
うです。 当然、被覆線スクラップを他の銅原料と薄めて比
率を落とし溶解するのでしょうが、本当にそんなことが可能
であれば画期的です。
※何せリサイクルする上で、剥線orナゲットの加工手間やコ
ストがかからないのだから、こんなに楽なことはない。あと
は、価格の問題でAとBのどちらが高いか?、つまり製錬炉へ
のダイレクト投入する方法を用いた製錬所が、購入できる被
覆線スクラップの価格が、剥線やナゲット加工のそれと比べ
て、高いかが問題となります。(価格が安ければ誰も売らな
い)

A(剥離:a,b)
・・・銅 X 銅歩留 △ 剥離コスト + 被覆材価値

B(ダイレクト)
・・・銅 X 銅歩留 

※さてここまで話してきて何ですが、実は、ダイレクト投入
の手法を用いた場合、価格以上に重要な要素があります。被
覆線スクラップの、銅歩留評価です。

※投入するロットが一品物(一種類の銅線だけ)であればサ
ンプルを1本持ってきて銅分を分析すればトータルが何十ト
ン、何百トンあろうとも、ロット全体がサンプル分析通りの
銅歩留となります。
※一方、ロットに複数の銅線が混じっていれば、いくらその
ロットの複数箇所を分析をしようとも、全体の銅歩留を正確
に出すことは出来ません。“絶対に出来ません。“これは絶対
です。
※被覆線スクラップをそのままダイレクトに溶解してしまえ
ば、(歩留の)真相は藪の中です。売り手と買い手の間で、
一体、どのように歩留=価格を決めるのでしょうか?

以上

補足:
日本国内でナゲット加工をしている会社(特に日系)でも、
「複数の銅線が混じっている被覆線スクラップ(雑線)」を
ナゲット加工している会社は少ないです。(もしくは加工し
ても少量)
ここ5年ほどで新規参入した中華系ナゲット会社が雑線加工
をしていますが、かつて日本国内で発生した雑線は、皆中国
に加工されないまま輸出されており、日本国内のナゲット会
社は、歩留の高い線(赤・単品)の加工に特化していたから
です。