4月21日 相場情報

《被覆線輸出が本当に止まったら》

【4月21日:今朝の状況】

※為替(ドル/円)ドル=141円55銭【08:30現在】

※N.Y.ダウ:39,142.23(-527.16)

【4月19日:先週末の状況】

※銅LMEセツルメント($/t)
 ①午前売: 休場
 ②午後売:ー

※COMEX当限セツル($/ポンド、銅以外は$/トロイオンス)
 ③銅:休場
 ④金:休場

※WTI 原油先物($/bbl)
 ⑤ 休場

※本日時点予想計算値:国内銅建値 (/kg)
 ①ロンドン午前:休場
 ②ロンドン午後:ー
 ③N.Y. :休場

※ニューヨーク為替引値(円)
休場

【4月18日:先週金曜日の状況】
※国内銅建値1350円(4月16日より-10円)

《被覆線輸出が本当に止まったら》

※先週、マレーシアの輸入通関が危うく、以前に比べて同国の輸入数量
が減っているということを書きました。“金属スクラップ貿易“は、昔っ
から(日本の金属スクラップが中国向けとされている頃から)、この手
の「通関トラブル話」は付きものです。
※残念なことではありますが、製品に比べてスクラップは規格が曖昧で
あり、かつ廃棄物由来であるため、正々堂々と真正直にやることが難し
い。どうしても白黒はっきりせず、グレーのまま貿易取引をしています。
(そのためコンプライアンス重視の大手企業・上場会社とは親和性が低
い)

※さて、では被覆線スクラップ(雑線)の日本→マレーシア輸出が、完
全に止まり、数量がゼロになったらどうなるでしょう?
※まずマレーシアと同じような機能を持つ国、タイ向けに流れる量が増
えることでしょう。そして将来的にタイもマレーシア同様に輸入に制限
を加えるようならば、本当に、被覆線スクラップの輸出先はなくなると
思います。(インド向けにはならない:別途改めて解説)

※ただ中国が雑品・雑線を輸入禁止した2018年末まで日本→中国に毎
3月0,000トンくらいの銅スクラップが流れていて、真鍮を除いた量を
20,000トン(仮)とすると、現在、マレーシアに流れている量は2,000
トン程度なので、ざっく10分の1です。(タイと韓国向けを足しても輸
出量は3,000トン程度)
※つまり残り、かつての10分の9の量は、2019年以降新規に参入した中
国系の雑ナゲット加工業者が、日本国内で加工をしているので、マレー
シア、その後、タイが雑線の輸入を禁止したところで、それほどには大
きい影響はないと思われます。

補足:
じゃ、なんで今でもマレーシア・タイに被覆線を輸出する必要がある
の?と言われれば、「加工のし易さ」の問題です。日本国内で発生する
全ての被覆線スクラップを考えると、まず①日系・老舗ナゲット業者
(もしくは電線メーカー子会社)が歩留まりの高い「赤」を加工、次に
②中華系・新興ナゲット業者が歩留まり40%程度の「白(雑)」を加工、
最後の最後、③残り物=加工しにくいものが輸出されているわけです。

魚を3枚に捌き、食べ易く美味しい身を食べたあと、中落ち(中骨の部
分に付いている身)を掻き出し、最後に残った頭と、骨だけ出している
感じでしょうか?

以上