4月23日 相場情報

《海外流出はなぜ?》

【4月23日:今朝の状況】

※為替(ドル/円)ドル=142円68銭【08:30現在】

※N.Y.ダウ:39,186.98(+1,016.57)

※銅LMEセツルメント($/t)
 ①午前売: 9293.5(+189.5)
 ②午後売:ー

※COMEX当限セツル($/ポンド、銅以外は$/トロイオンス)
 ③銅:4.8705(+0.1495)
 ④金:3400.8(-5.4)

※WTI 原油先物($/bbl)
 ⑤ 63.67(+0.59)

※本日時点予想計算値:国内銅建値 (/kg)
 ①ロンドン午前:1380円
 ②ロンドン午後:ー
 ③N.Y. :1580円

※ニューヨーク為替引値(円)
141.58-141.6(0.73円安-0.7円安)

【4月22日:昨日の状況】
※国内銅建値1350円(4月16日より-10円)

《海外流出はなぜ?》

※昨日に続き伸銅協会との会議で出た話題です。
※「なぜ海外に銅・真鍮のスクラップに流出するか?」という、
そもそも論の話となりました。

※結論。
「解体・選別賃(★)が安いから(①)」が、最も大きな理由
です。(★人件費・電気代・ゴミ処理費用を含みます)

※ご存知の通り非鉄金属は、金属とそれ以外の物が付着してい
ると再生出来ません。例えば銅+プラスチック=被覆線の状態
では、そのまま溶解炉で溶解すると炉を傷めてしまう。銅、真
鍮、アルミ、ステンレス、亜鉛・鉛など非鉄各種を再生のため
溶解をする際には、「金属とそれ以外を分けなければならない」
という宿命があります。(鉄スクラップの場合は異なり、何で
もまとめて溶解)

※金属を分ける前の雑品・雑線が、完全に自動化された機械
(シュレッター・ナゲットetc.,)で解体・選別が出来れば、
人件費を抑えることが可能で、人件費の高い日本でも、リサイ
クル率が上がると思います(電気代・ゴミ処理費用は下がりま
せんが)。
※ところが人件費の安いタイ・マレーシア(かつては中国)で、
手解体・手選別した方が、機械に比べて、再生し易い=コスト
が安いのが現状です。

※また、仕上がった金属の状態が異なる(②)という理由もあ
ります。例えばシュレッターでラジエターを破砕すると、銅と
アルミを分けることが出来ますが、どうしても銅にアルミが付
着してしまいます(僅かに咬んだ状態になる)。 銅の溶解に
アルミ分混入は禁物なので、シュレッダーで機械処理した後の、
銅原料は、手解体・手選別した後の銅原料の価格に比べ安くな
ります。

※需要家サイドの問題もあります(③)。タイ・マレーシアで
解体・選別された銅・真鍮は、ほぼ全量が中国の需要家に向け
られます(解体・選別後再輸出されます)。東南アジアには、
それほどの需要がない為です。
※中国の需要家と、日本の需要家を比べた場合、原料の購入ス
ペックが異なり、一般的に、中国の方がその基準が緩いです。
※非鉄金属原料を供給する側(選別・解体業社)からすると、
売るときに、細かいことを言わない需要家の方が、原料を作る
のに“ラク”ということになります。これもまた非鉄金属原料
が海外に流出する要因の一つになっています。

おまけ
③に関して、伸銅協会加盟各社様は日本の最たる需要家なので、
今回の打合せを基に、原料の購入方法を再検討頂きたい。中国
の需要家と原料購入競争で競り負け、困るのは伸銅協会加盟の
需要家みなさまであるので。

以上